高市政権では重要法案が十分な審議もないまま次から次へと急ピッチで成立されようとしている中、それに抗するデモが全国各地に広がっています。市民が運営するデモ情報集約サイト『デモカレンダー』には反戦・平和・改憲反対・反原発・人権に関するデモ・集会情報が毎日数十件掲載されています。
沖縄でも7月12日(日)18時より、県民広場で「改憲反対ペンライトデモ」が開かれ、約50人が集まりました。思い思いのペンライトや光る髪飾りをつけ、プラカードやうちわなどを持って集まってきました。道ゆく人も立ち止まって耳を傾けます。
主催者の一人、高岡直子さん(ちーむ・がじゅまる、フェミブリッジ沖縄、50代)はこう呼びかけました。
「今、どうですか、みなさん。みなさんの声を聞くと、怖いよ、とか、不安ですと言うんですよ。でも、言っているだけでは平和は守れないと思います。みんなで思いを持ちよって、今日は音楽とか風船とかシャボン玉とかあります。ゆるゆると楽しんで、だけど心は熱いです。憲法9条が変えられたら私たちの国はどうなってしまうんでしょうか?」

男女のユニットarAnoが沖縄戦や反戦をテーマにした歌を歌い、参加者から自由な発言が入ります。
◉福知由菜さん
「私はずっと高市さんに怒っています」と声を上げたのは、福知由菜(ゆな、18歳)さん。重い障害で言葉を自ら発することができないため、「指談(ゆびだん)」という方法でコミュニケーションをとります。由菜さんが母親の里恵(りえ)さん手のひらに書いた文字を読み上げます。

「私はずっと高市さんに怒っています。だって障害者を絶対に安心させてくれないからです。私たちはいつも弱い立場に置かれているんだけど、あの人は弱い立場の人を絶対に顧みていません。だから戦争になったら、私たちが一番に捨てられると思っています。だから私はずっと高市さんに腹が立って、しばらく眠れない日もありました。
自分の気持ちをどうやって伝えたらいいのかって悩んでいました。お母さんはデモをしているみたいだよって教えてくれて、この間一回来たんだけど、その時も飛び入りでしゃべっている若い人がいっぱいいて、私もしゃべりたかったって思いました。
だから今回は絶対にしゃべるぞと思って来たんですが、なんか緊張して体がめちゃくちゃになって……これは嫌がっているんじゃなくて緊張してどうしようもなくなっているから……だから今日はしゃべることができて嬉しいです(デモの中から拍手起きる)。みんながすごく優しい目で見てくれていてくれるから、由菜は嬉しくていつまでもしゃべりそうだから、今日はこのくらいにしといてあげます」
由菜さんは中学3年の時、沖縄に移住して来ました。彼女の思いは沖縄で出版されました1。

◉喜屋武未久さん
もう一人、やはり今日がスピーチデビューの喜屋武未久(きゃん・みく、30代)さんは、パート労働者。緊張しながらもしっかりと語りかけました。
「悪法をどんどん成立させて、野党の話も国民の声を聞かずに、みんなデモしたり表明したりしても何も変わらない状況がおかしくて、辛い、辛いです。
私が『今政治おかしいでしょ』と言うと、『未久はまじめだね』とばっかり言われて、笑って終わり。それってちょっとおかしいなって。
みんなも大人なんだから選挙行けるんだから、政治のニュースを見て、ちょっとおかしいよねってみんなで話せるような空気にしないといけない、ならないといけないといつも思っています。生活イコール政治ですね」

◉具志堅隆松さん
沖縄戦遺骨収集ボランティア・ガマフヤー代表の具志堅隆松(ぐしけん・たかまつ、72歳)さんは、「私は遺骨収集だけでなく、戦争反対の声を上げるようになりました。マスコミの記者によくなぜかと聞かれます。戦争反対の声を上げるのは、当然というより必然なんです。なぜなら今の状況は私たち自身が戦没者遺骨になるかもしれない、そういう事態が迫っているからです」と危機感を表明しました。
なぜ戦争反対を呼びかけるのかを語った沖縄戦遺骨収集ボランティア・ガマフヤー代表の具志堅隆松さん。=沖縄・県民広場、2026年7月12日、撮影:岡本有佳
◉久手堅幸子さん
デモや集会でサックスを吹く久手堅幸子(くでけん・さちこ、74歳)さんがこの日選んだ曲は「アメイジング・グレイス」と「ひまわり」。「ひまわり」は今再び戦場になっているウクライナが映画の舞台になっているので選んだと言います。
自衛隊ミサイル基地・部隊の配備を止める沖縄県政が必要

◉高岡直子さん
沖縄では9月13日に県知事選挙があります。女性の声で政治を変えようと「フェミブリッジ沖縄」を作った高岡さんたちは、なんとしても現在の県政を守りたいと活動を続けています。
「現県知事のデニーさんは、米軍基地反対を貫きつつ、県の税収を増やし、県政史上最高の予算を成立させました。中学校の学校給食費は2025年度から国に先駆けて県が半額補助しました。子どもの通院医療費は中学3年まで窓口無料化を実現し、18歳まで無料にしようと検討中。しかし自民党が圧勝した今、デマや誹謗中傷など相当なバッシングを受けています。沖縄本島と先島諸島の各地で自衛隊ミサイル基地・部隊の配備が進められている中、それを止める県政はどうしても必要なんです」と力を込めて語りました。
沖縄での闘いは続きます。
- 「ゆなは障害児だと思われていますが、私はいっぱいいろんなことがわかっています」と、由菜さんが日頃感じていることを綴った書籍がある。福知由菜著、福知里恵編著『私の話を聞いてください——沖縄に移住した「重度知的障害」の私と先生の交換日記』(ボーダーインク、2024年) ↩︎

