千葉豪雨の被災地で自衛隊が降下訓練 米軍輸送機が低空飛行

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千葉豪雨から2週間。復旧作業が続く現場の上を米軍機が低空飛行。

陸上自衛隊第一空挺団が8月27日、千葉豪雨で被災した千葉県船橋市及び八千代市にある習志野演習場へのパラシュート降下訓練を行いました。日米合同の訓練で、横田基地から離陸した米軍輸送機2機が住宅地の上を低空で約40分間にわたって旋回しました。

 午前10時半、陸上自衛隊習志野演習場沿いを走る国道296号線の真上に、米軍の輸送機が姿を現しました。沿道にあるセブンイレブンの駐車場から見上げたところ、機体に描かれた米国旗がはっきり見えました。かなりの近さです。2分ほど遅れて2機目が飛来し、午前11時10分ごろまで、2機が船橋市上空を旋回しました。轟音は間近を走るトラックの走行音と同じような大きさに感じました。

 演習場に隣接したショッピングモールの駐車場から降下訓練を目視することができました。100円ショップやファミレスが入ったモールの「日常」に、道路向こうの軍事演習が溶け込んでいるかのような情景です。

降下訓練を撮影したショッピングモール。国道をはさんで陸上自衛隊習志野演習場がある=千葉県船橋市


 1周目は何も降下しませんでした。2周目は2機目からパラシュート1基が降下しました。3周目から6周目はそれぞれ12基から15基のパラシュートが降りました。

 付近は8月13日の千葉豪雨で大きな被害を受けた地域です。船橋市内は、13日から14日午前7時までの19時間に210㎜の雨量があり、床上浸水72件、床下浸水36件の被害がありました。2週間後の27日にも、駐屯地前を通る国道では、水没した車両をレッカーして走る緊急災害車両が見られました。

 演習場の周辺では過去にパラシュートの誤着陸も起きています。2021年3月11日午前11時ごろには隣接する八千代市の県道歩道上に落下しました。2020年1月19日には、習志野市立習志野高校のグラウンドに降りたこともあります。

市民団体「防衛よりも防災を」

 防衛省から船橋市にあった連絡により訓練実施を知った地元の市民団体「どこの空にもオスプレイはいらない@フナバシ」は8月23日、習志野駐屯地を訪ね、小泉進次郎防衛相あての緊急申し入れ書を提出しました。

 申し入れ書では2点について、共同訓練の中止を求めました。

  1. 前回の米軍機との共同訓練から1カ月しか経っていません。米軍との共同訓練を常態化させていくことは認められません。同種の訓練が年間で何回予定されているのかなど、一切の情報を出さず、ただ一方的に訓練日程だけを告げ、市民はそれを忍従して受け入れよと言わんばかりの防衛省の姿勢は民主主義国家としてあってはならないものです。
  2. 米軍機の進入飛来ルートが8月13日の千葉豪雨で床上浸水などの大きな被害を受けた地域の上です。家具などが水浸しになり、その片付けや暮らしの再建に大変な苦労をされている皆さんの上を、低空で轟音をあげて米軍機に飛行させる無神経さには怒りを覚えます。「防衛よりも防災を」との国民の声が聞こえていないのでしょうか。
豪雨から2週間。駐屯地沿の国道では災害支援の車が水没車をレッカーする様子も見られた=千葉県船橋市

市民団体は3年前の能登半島地震の時にも数日後に予定されていた第1空挺団の降下訓練始めを中止するよう、インターネット上で1800人超の署名を集めて申し入れをしましたが、強行された経験があります。市民団体のメンバーで船橋市議の金光理恵さんは「そのときも、米軍など8カ国軍との合同訓練を優先するのではなく、道路が寸断されている被災地に物資を運んでほしいと要望したが、無視された。今回も家屋の片付けで上空を見る余裕もない人の上を米軍機が旋回したことにあらためて憤りを覚える」と話しました。