女性差別撤廃条約の選択議定書「今すぐ批准を!」 今年も10万4445筆の請願署名を提出 地方議会の意見書採択は448カ所に

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もう「検討します」は聞き飽きた。女性差別撤廃条約の選択議定書の早期批准を!

女性差別撤廃条約の選択議定書を「今すぐ」批准するよう求める集会が6月25日、参議院議員会館で開かれました。ロビー活動を続けている市民団体「女性差別撤廃条約実現アクション」が主催し、毎年国会に請願署名を届けています。今年も10万4445筆を国会議員有志に手渡しました。今年6月議会を終えた時点で地方議会による早期批准を求める意見書採択は448カ所と、都道府県と市町村の全議会の27%にのぼります。

女性差別撤廃条約選択議定書 1999年10月に国連で採択、発効した。差別を受け、国内で救済されなかった個人または集団が女性差別撤廃委員会に直接救済を申し立てることができる「個人通報制度」と、信頼できる情報に基づき、同委員会が国内状況を調査し、勧告できる「調査制度」からなる。批准すれば、たとえば、男女賃金格差訴訟など最高裁で敗訴した場合でも、国連に救済を求めることができるようになる。国連は国の条約違反を認定した場合は「見解」と「勧告」を発出し、被害者個人に対する救済措置を講ずるよう求める。女性差別撤廃条約の締約国189カ国中116カ国が批准。OECD38カ国の中で、未批准は日本、アメリカ、イスラエル、ラトビアのみ。

第6次計画でジェンダー施策の状況が悪化

2024年10月、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は日本のジェンダー平等に関する施策や法の不備を指摘し、多くの勧告を出しました。中でも選択議定書の批准については「省庁間研究会を23回開催したにもかかわらず、締約国が批准の検討に時間をかけすぎていることを遺憾に思う」と懸念を表明し、「批准に対するいかなる障害も速やかに対処し取り除く」よう政府に求めています。

共同代表の浅倉むつ子さんは「今年3月に閣議決定された第6次男女共同参画基本計画に、CEDAWの勧告はほとんど反映されていない。むしろジェンダー施策の状況は悪くなっている」と話しました。

一方で、地方議会の意見書採択が伸びたことについて「大阪、長野、徳島に続き富山県で全自治体の意見書採択が達成された。そして大阪のワーキングウィメンズネットワーク(WWN)のメンバーの働きかけで、高市首相のお膝元の奈良県で採択が伸びている」と報告しました。山梨県大月市議会では請願を提出した委員会では不採択でしたが、議員運営委員会が意見書案を確認して本会議にはかり、採択となったそうです。

「私たちの仲間が諦めずに個別の議員に説明に行ったことが実った。国会の動きだけでは意気消沈することが多いが、仲間との活動が確実に成果を上げている。選択議定書批准の機運は一層高まっていると感じた」と話しました。

あきらめず、活動を続けましょう」と言う浅倉むつ子さん=東京都千代田区

首相のお膝元から意見書「機は熟した」

同アクションの世話人でジェンダー法学者の山下泰子さんが、選択議定書にかかわる過去25年間の国会審議を振り返りました。

1999年は男女共同参画社会基本法が公布された年です。選択議定書の批准についても当時は「男女共同参画社会基本法の主旨を十分念頭に置き、政府として前向きに検討していきたい」(野中広務内閣官房長官、1999年6月11日衆院内閣委員会)と与党も肯定的でした。

最高裁で判決が出た問題を国連に訴えるのは「一事不再理」に反し、日本の司法権の独立を侵すという反対意見があります。国会ではこの点も繰り返し議論されましたが、「ストレートに独立を侵すとはいえず、政策判断として批准はあり得る」(高村正彦法務大臣、2001年3月22日参院法務委員会)という意見に落ち着いています。

2010年には外務省人権人道課に「人権条約履行室」が設置され、選択議定書の個人通報制度の導入について検討が始まりました。しかし、そこからが進みません。政府の答弁は「早期締結について検討を進める」一辺倒になってきました。

2020年、茂木敏充外相(当時)が踏み込みました。「論点はある程度明らかになってきているので、関係省庁との間でずるずる引っ張るということではなくて、しっかり議論をして、どこかで結論を出さなきゃならない問題だと考えている」(2020年3月18日、参院外交防衛委員会)

山下さんは「選択議定書の採択から26年。国会での議論は尽くされた。過去に批准に前向きな発言をした茂木氏は現在、再び外相を務め、高市首相のお膝元の奈良県議会も全会一致で早期批准を求める意見書を採択した。機は熟している」とまとめました。

選択議定書に関する国会審議25年の歴史を語る山下泰子さん=東京都千代田区

世の中の相当『いいよ』 国会が動かないだけ

連合の元女性局長で1996年から2000年に衆院議員を務めた松本惟子さんは「繰り返し運動を続けてここまで持って来た。国会が動かないだけで、世の中の相当の人たちが『いいよ』と言ってくださっている。選択議定書を批准し、高齢者に対する女性差別、結婚に伴う氏の変更の問題を国連に持っていきたい」と話しました。

集会には30年間運動を支えてきたレジェンドたちが集った=東京都千代田区