米兵による性犯罪、迅速な通報の徹底を 女性たちによる連帯「フェミブリッジ沖縄」が政府交渉

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性暴力を許さない、水を汚さない、ヘリから物を落とさない、米軍への怒りは「当たり前のこと」

2024年6月、沖縄駐留米兵による16歳未満の少女への性的暴行事件が半年以上も隠蔽されていたことが発覚し、大きな問題になりました。半年の間に少なくとも3件の事件が沖縄県に通報されていなかったことが明らかになり、県議会は同年7月10日、「相次ぐ米軍構成員等による女性への性的暴行事件に関する意見書」と「抗議決議」を全会一致で可決。こうした中、昨年12月の県民大会と同時に、沖縄の女性たち10人による連帯「フェミブリッジ沖縄」が「アメリカ兵の性暴力を終わらせたい」とオンライン署名を開始しました。10月30日、約7万7000筆の署名を携えて防衛省、外務省に申し入れを行い、衆議院議員会館で院内集会を開催。150人が参加しました。

#なかったことにしないで

オンライン署名のハッシュタグは「#なかったことにしないで」

少女への暴行事件が半年以上、外務省、防衛省から沖縄県に伝えられず、不自然に「なかったこと」にされていたことに抗議し、署名主旨に「私たちはこれ以上、アメリカ兵による性暴力事件を『なかったこと』にしたくはありません」と記しました。

署名では沖縄県議会の意見書の4項目を挙げ、一日でも早い実現を求めています。

  1. 被害者への謝辞及び完全な補償を行うこと
  2. 被害者への丁寧な精神的ケアを行うとともに、セカンドレイプの防止を徹底すること
  3. 米軍構成員等による犯罪事案については、今後、被害者のプライバシーを守ることを第一としつつ、沖縄県及び関係市町村への迅速な通報ができるよう、日米合同委員会を通じ、米側との調整を行い、断固たる措置を取ること。
  4. 米軍構成員等を特権的に扱う日米地位協定の抜本改定を行うこと。特に身柄引き渡し条項を早急に改定すること。

まず「通報制度」の改善と徹底を

その上で特に3について、「通報制度の改善と徹底」を独自に提案しています。

通報制度(通報手続)は1995年、3人の米兵による12歳の少女への暴行事件を契機として、1997年に日米間で合意されました。日本側関係当局の迅速な対応を確保し、地域社会に及ぼす影響を最小限にすることを目的に、米側から日本政府、基地のある自治体に米軍による事件・事故の発生を通報するものです。

しかし、それが、十分に機能していないことが2024年、3件の米兵による性暴力事件の隠蔽で明らかになりました。政府は同年7月、1997年の合意とは別に「在日米軍による犯罪における国内情報共有体制」を新設しました。しかし、情報伝達が起訴・不起訴確定後に限定されるなど不十分なものに終わっています。そもそも米軍関係者による事件は日米地位協定により、日本の刑事司法の手続きに乗らないものも多いのです。

フェミブリッジ沖縄は提案書で米軍構成員等による性的暴力事案に関する通報制度について具体的に6点を求めました。

  1. 発生から24時間以内の例外なき通報の義務化
  2. 1997年合意の中央(外務省)と現地(沖縄防衛局)の同時通報の徹底
  3. 通報および公開の可否の判断基準を沖縄県側に付与
  4. 日本側当局を起点とする通報スキームの新設
  5. 現地米軍からの通報徹底(基地内の事件、米軍憲兵MPの拘束事案を含む)
  6. 被害者支援団体への通報

また通報体制が検証できるよう、国会への定期報告の義務化や、昨年の隠蔽事件の責任の所在を明らかにし、改善措置を取ることも求めています。

米軍側の「好意的な配慮」によって凶悪犯の身柄を引き渡し?

院内集会では高良沙哉参議院議員が、日米地位協定の不平等性について説明しました。

高良沙哉・参議院議員=東京都内

日米地位協定17条5項(c)は日本に駐留する米軍関係者が起こした事件について、日本が裁判権を行使すべき事案(公務外)であっても、犯人を拘束する正当な理由及び必要があると思料する場合を除き、犯人を釈放し、米軍当局による拘禁にゆだねる、としています。

高良さんは「この不平等な規定により問題が発生している」とし、実例を挙げました。

・1993年 嘉手納基地内で女性への暴行事件が発生。米軍が加害者を十分に拘束せず、那覇空港から本国へ逃走。

・2003年 沖縄県宜野湾市で発生した強盗致傷事件。被疑者3人の身柄は基地内にあったが、隔離されておらず口裏合わせができる状態だった。

1995年に少女暴行事件があり、2年後の日米合意で「日本側の要求があれば、凶悪犯罪の場合に米軍側の好意的な考慮によって、身柄を引き渡す場合がある」となりましたが、「実際には引き渡しを日本側が要求しなくなっているという問題点も発生しています」と高良さん。

「日本が非常に軍事化していく中で、米軍にものを言えなくなっている。きちんと明文改訂がなされていれば、加害者の好意的な配慮によって身柄を引き渡すか渡さないかを決めるという判断にはなっていかないだろう。地位協定の改定をしっかりと進めていかなければならない」

日本の捜査権を奪う日米合同パトロール

米軍の綱紀粛正に実効性がない中で、いま大きな問題となっているのが「基地外での米軍の警察権の行使、日米合同パトロールの実施」だといいます。ここで違法行為が発見されれば、米軍に身柄が引き渡され、米側の取り調べが行われます。日本の警察は逮捕、取り調べができず、それが米軍関係者の起訴率の低さに繋がっています。沖縄の本土復帰前を描いた映画「宝島」で、琉球警察が現行犯を捕まえても、米軍が身柄を持っていってしまい真相が解明できないという状況が描かれていました。まさにその再来が現在の沖縄で起きています。

高良さんは「米兵が安心して事件を起こすことができる環境が沖縄に、日本にあるということを認識して、日米地位協定の改定をしっかりと進める動きを起こしていきたい」と訴えました。

一番ルールを守らない外国人は「米軍」

フェミブリッジ沖縄のメンバーや、つながる人たちからリレートークがありました。

フェミブリッジ沖縄のメンバーら=東京都内

山内末子沖縄県議は1955年の「由美子ちゃん事件」について話しました。

「5歳の幼児が暴行され、殺され、遺体がごみ捨て場に捨てられていた。遺体は目を見開き、手には草が握られていたそうです。ご両親の家は私の家のすぐ近く。基地に対して県民の間に分断があり、両親は自分の子どもにも外にも一切話をしていない。犯人は軍法会議で死刑になった。本国に送還された後、『私は沖縄の基地反対運動の犠牲になった』として、減刑を大統領に申し入れ、その後、仮釈放された。大統領からは墓石が贈られたんです。どうして子どもの命や尊厳を奪った人が英雄としてまつられているのか。この不条理を忘れてはならない。今、外国人がルールを守らないといって排斥運動が起きています。でも、一番ルールを守らない外国人は米軍じゃないですか」

儀保唯沖縄県議は弁護士出身。

「多くの女性の性暴力の相談にのってきた。一番多いのが夫婦間の性暴力です。これを許している社会、男性が女性にする暴力を許している社会が一番の問題だと思う。私は1995年の少女暴行事件の時に10歳、いま40歳です。この間、社会はあまり変わらないが、変わったこともある。昨年沖縄県議に女性が8人通った。社会の仕組みを変えるにも女性議員を増やさなければいけない。私たちには、いつ被害者になるかわからないという共通の経験がある」

性暴力の根絶には脱植民地化しかない

フェミブリッジ沖縄の高岡直子さんは、沖縄県内での署名運動の展開について写真などで紹介しました。

「カフェやショップにオンライン署名のQRコードを記載したカードを置き、5万人に達したところで、政府に要請行動をしよう、と決意しました。その後署名は伸び、7万7000人にもなりました。せっかく東京に行くのだからと、新宿での街頭行動もしました」

古川万理さんは戦後の性暴力事件の膨大な一覧表を紹介しながら、話しました。

「戦時下から今もって米兵による性暴力事件が絶えません、その数何千件。被害者は乳児から高齢女性まで。女性は戦利品であり人間の扱いを受けていない。終戦後、農作業中に女性が奪われる事件が相次いだ。産後間もない女性が2人にレイプされ、その後米兵による犯行だとわかった。記録を担った宮城晴美さんは『米兵に奪われたことから地域に住めなくなる人もいた。そういう沖縄社会の状況を知る必要がある』と語っている」

「2023年12月に16歳未満の少女が誘拐暴行された。外務省がプライバシー保護を理由に事件を隠蔽したために、この少女はワンストップセンターにつながることができなかった。レイプの被害は初期対応が重要。証拠の採取、緊急避妊、感染症対策は一刻を争う。レイプは魂の殺人であり、リプロの権利への究極の侵害。刑法改正で不同意性交罪が導入され、性交同意年齢が13歳未満から16歳未満に引き上げられたが、この少女の裁判で米兵は無罪を主張した。少女は7時間に及ぶ裁判での証言を強いられた。裁判の過程でも人権侵害を受けている」

「米兵による性暴力を根絶するには、脱軍事化、脱植民地化以外にない。支援体制を充実させ、女性が声を上げやすい環境を整え、女性に落ち度がなかったかを問うような女性蔑視や家父長制社会を変えなければならない。ちょうど1年前、国連女性差別撤廃委員会が日本政府に対し勧告を出した。沖縄の女性と少女に対する性暴力、その他のジェンダーに基づく暴力に対し、加害者の捜査、訴追、処罰を適切に行い、被害者に十分な補償を提供する措置を取るよう求めたものだ。政府がこの勧告を実現するよう、議員はさらなる追及を、そして私たち女性の連帯でさらに世論を盛り上げて行きましょう」

ドイツ、イタリアには事件の通報協定あり

並木万希さんはこの30年間状況が変わらず、むしろ悪化している、と話しました。

「1995年の少女暴行事件で3人の実行犯の身柄引き渡しが米軍から拒否された。日米地位協定が盾になっていた。その後、沖縄の声が大きなうねりとなり、県側にすぐに事件事故を通報するという体制が確立されたが、2023年の事件では機能していなかった。米軍は綱紀粛正や再発防止を言うが、リバティー制度という規則を強化し、夜間の飲酒行動を制限しただけで改善は見られない。日米両政府によるフォーラムを作ったが、市民参加はない。今年4月からは月1回、日米合同パトロールが始まった。沖縄県警と武装した米軍のMPが、街中に普通に出てくる。米兵は多少萎縮するけれど、それは私たちが望んだ未来じゃない。米軍が米兵の身柄を連れていってしまう。すると沖縄県警は捜査も何もできない。これを許してはならないと思っている」

島袋ひろえさんは沖縄県議会の意見書にある4項目と、通報制度の改善と徹底についての提案を政府に提出した、と報告しました。

「ドイツやイタリアでは事件が起きればすぐに地元自治体に通報される仕組みが協定で補償されています。しかし、沖縄ではその合意すら守られていないのです。この提案書は28年前に合意した通報体制を徹底し、現状に合わせてアップデートすることを求めている。事件発生から24時間以内に必ず沖縄県に通報すること。米軍基地内で起きた事件、米軍のパトロールで拘束された米兵も含めること。制度を定期的に検証し、その結果を国会に報告すること、などです。今年12月末までに回答していただくよう、政府に要請した。この提案は地域の安全に最低限必要なもの。実現に向け、力を貸してください」

防衛省「日米地位協定は外務省の仕事」

島袋和美さんは防衛省、外務省交渉に参加し、「何も変わらないんだなあ」との感想を抱きました。省庁側は何を質問しても用意したペーパーの中身を繰り返すだけ。防衛省は「綱紀粛正、米兵の教育、再発防止は米軍がやらなければいけないこと」「従来通り事件事故がないように努力する」「日米地位協定を変えるのは外務省の仕事」と業務の縦割りを理由に、正面からの回答をしなかったといいます。一番ショックだったのは、2016年にうるま市で起きた米兵による女性のレイプ、殺害、遺棄事件について、「知らない」と言い放たれたことでした。

「うるま市の女性の遺族は、『基地がある限り事件が起きる。早期撤去を』と訴えた。これが私たち県民の思いです。米兵は35年間に6000件あまりの事件、事故を起こしている。月1件以上の凶悪犯罪が起こっている。米兵の方が中国よりよっぽど脅威ではないでしょうか?昨年12月の県民大会で、高校生がアピールを出した。30年前の少女暴行事件があったときも、『沖縄に平和の島を返してください』と訴えた。私たちは普通の暮らしがしたい。連帯して復帰を勝ち取ったように、県民の最低限の願いである4項目を実現させていきたい」

島袋さんと省庁交渉に出向いた仲村未央・沖縄県議は外務省の対応について「昨年、米軍の通報が外務省で止まっていたにもかかわらず、外務省は検証をせず、再発防止だ、これからのことだ、と繰り返した」と報告しました。

「フェミブリッジは国会への定期的な報告義務を求めている。米軍は4年に1回、施設ごとの犯罪調査をしているが、日本政府はその内容を国民に知らせようとしない。国会にも報告しない。何もかもがブラックボックスだ。公務外の犯罪については日米地位協定の対象ではないとして、性被害にあった女性が泣き寝入りをさせられている。これをなくしていきたい。女性の命、人権の問題として一緒に考えたい」

米軍の犯罪が許せないのは「当たり前のこと」

新垣千秋・北谷町議は町内で起きた多数のレイプ事件の実例を挙げ、「北谷町では、定例議会より臨時会が多い。米兵による事件、事故の対応のためだ。国に訴えても答えは冷たい。どれほど町民が不安にかられているかを訴えても、今まで何も変わらなかった。一歩でも二歩でも変えて行きたい。町民の人権が認められないままになってしまう。ずっと不安の中で暮らさなければならない」と話しました。

米軍による性被害を書き出したアートワークの前で話すKEN子さん=東京都内

音楽プロデューサーのKEN子さんは自身のことを「だれかわからん馬の骨」と呼び、笑いを誘いました。

「こういう馬の骨がしっかり投票するから議員が当選する。議員は米軍の犯罪について、こんなことがあったらおかしいと一致するべきです。世界中みんな同じ気持ちじゃないですか? 許せないのは当たり前のことなのに、なぜ通らないのか。2008年に初めて東京に来た時、干潟の問題で国会にロビーイングした。議連が動いて干潟の工事が止まった。馬の骨も歩けば棒にあたるんです。12月にはPFASの問題と、保育園や学校への落下物の問題でまた東京に来る。水を汚しちゃだめ、ヘリから物を落としちゃだめ。私たちは当たり前のことを言っている。馬の骨として、自信を持って政治を動かしていきましょう」

被害者中心の対策が取られていない

神奈川県横須賀市で米兵からの性暴力被害に遭い、当事者として訴え続けて来たキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんのスペシャルスピーチがありました。

キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん=東京都内

日本初の女性の総理大臣高市早苗さんが、トランプ米大統領と横須賀にいる。深刻な問題を話してほしいと期待しています。
1952年以降、在日米軍による21万件の犯罪・事故がありました。レイプの被害者で顔を出したのは一人だけです。それが私です。23年間ずっと一人で先頭に立っています。なぜほかの被害者が顔を出せないのでしょうか? その理由はみなさんに関係しています。みんなの問題です。被害者中心の対策が取られているでしょうか? 社会的な不正があります。
みんなは私のことを知らないかもしれないけど、他の被害者は私のことを絶対に見ています。しかし、私の後ろに立っている人がいないの。私、いつも一人です。そしてイベントをするときは、私が呼ばれない。ある主催者からは「あなたと連携したくない」と言われた。すごく傷つきました。私は横須賀でレイプされた。国連女性差別撤廃委員会では沖縄に関して勧告が出ました。沖縄が大きな火事だとしましょう。そこさえ消せばいいのでしょうか? ほかの火事は消さなくていいですか? 全部消さなきゃいけないんですよ。
米兵からレイプを受けた。すごく傷つけられた。でも日本の社会にもたくさん傷つけられた。警察の捜査に傷つけられた。被害者中心にしないとダメです。女性や子どもだけではありません。男性もレイプされています。沖縄の米兵の犯罪の歴史を書いて持って歩いている。こんなにたくさんの犯罪があるの。沖縄で戦後、一番最初に亡くなった人は男性だった。1945年、自分の奥さんがレイプされているときに、やめてくださいと言って、ピストルで殺されちゃったの。この人たちには、みんな名前があるの。私が日本で初めて沈黙を破った時に、被害者は経験を人に話してはダメと言われた。だから22年間かけて本を書きました。
被害の記録をシーツに書いています。こんなにたくさんの人が殺されてレイプされている。私は10年間、一人で犯人を捜したの。見つかった時、1ドルでいいから認めなさいって訴えたの。お金じゃないの。2013年に勝ちました。食べるものもなくて裁判したの。1995年の少女暴行事件の加害者である3人の米兵をアメリカに帰した後、1人はまた女性を殺して、自殺しました。たくさんの犯罪が重なっている。被害者が話をできる状況を作らないといけない。連携してください。よろしくお願いします。

横田基地でも被害、忘れない

会場の参加者からも連帯の表明がありました。

東京にも横田基地があります。立川市議会議員永元香子さんは中学生の時の思い出を話しました。「ある日、校長から注意を受けた。『不良外人に注意してください』と。米兵の息子が薬に手を出して、ぶらぶらしていた。彼が付き合っていた女子短大生が殺されました。彼女は妊娠していました。彼は横田基地に逃げ込んでアメリカに帰ってしまった。私はその事件を忘れません。団結して頑張ろうと思います。

名護市出身の青木初子さんは2016年のうるま市の女性暴行殺人事件の犯人は沖縄の女性と結婚して子どももいた、と明かしました。「連れ合いと生まれたばかりの子どもはいったい今どうしているんだろう。沖縄で起きる事件は要素や立場が複雑に絡み合っていると知ってほしい」と話しました。昨年、外務省は国連女性差別撤廃委員会の日本政府への勧告に「男系男子」の皇位継承を定めた皇室典範の改正が含まれていたことに抗議し、日本が国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に出している拠出金の使途から女性差別撤廃委員会(CEDAW)を除外するように求めました。青木さんは「沖縄は天皇制国家ではなかった。沖縄の歴史は本土とは違います。先住民族としての歴史、文化にも関心を寄せていただきたい」と続けました。

高市政権の「戦争出来る国」づくりに立ち向かう

集会の最後に市民運動家の菱山南帆子さんが連帯を呼びかけました。

「今日は怒りの共有ができた。沖縄で起きていることがどれだけひどいことか、沖縄の犠牲の上に私たちの生活が成り立っていたことを忘れてはならない。2016年のうるま市のレイプ事件の時、沖縄の女性がインタビューに答えて『子どもが外に出るのが怖いと言っている』と話していた。外とは日米地位協定に守られて米兵が闊歩する世界。それを許してはいけない。いま日本では違法外国人ゼロというスローガンが叫ばれているが、排外主義を言う人は沖縄の米兵の暴力には目を向けていない。不平等な日米地位協定が米兵の犯罪の温床になっている。女性初の首相がもてはやされている今だからこそ、私たちはつながって力を尽くしていかなければならない。戦争は暴力と差別の固まり。女性への暴力に反対することは戦争反対と表裏一体です。怒りを爆発させて全国でつながりあって、高市政権の戦争できる国づくりに立ち向かっていきたい」

菱山南帆子さん=東京都内