横浜市教委の傍聴妨害問題 市民2人が住民監査請求 来月公開で関係者陳述

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教員による性犯罪事件の傍聴を妨げた教職員に足代まで払っていたの?

 横浜市教育委員会が教員による性犯罪事件の裁判傍聴を妨げる目的で教職員を動員した問題を巡り、市民2人が住民監査請求を行ったことが分かった。請求はいずれも、傍聴に行った職員への交通費支給などが公金の不正支出に当たるとし、支出分の返還を求めている。市教委は、弁護士3人による問題の検証を進めており、当初は検証結果の報告を6月中をめどに公表する予定だったが、「丁寧かつ慎重に検証を進める」として公表を7月中に延期した。 

 住民監査請求は、自治体が財政に損害を与える公費支出や財産管理を行ったことが疑われる場合に、公金の返還など適切な措置を取るために監査を求める制度。監査で不正や不適切な財産管理があったと判断されれば、自治体に対して一定の期間内に財政上の補填など必要な措置を講じるように監査委員が勧告する。

 市監査事務局によると、市教委の傍聴妨害問題を巡る2件の住民監査請求は、6月3日と10日、個別に受理。7月4日と10日に、各請求人が請求理由や主旨を説明する陳述を開き、市教委側の関係者も陳述を行う。陳述を行う人数や担当課は市教委に照会しており、6月28日時点では未定。監査結果は受理日の翌日から原則60日以内に請求人に通知し、早ければ監査結果は8月上旬にも市のホームページで公表する。

 市教委教職員人事課によると、検証を実施する弁護士を神奈川県弁護士会の推薦を受けて6月12日に決定。3人の弁護士が対面の会合などを通じて検証を進めている。同課担当者は、傍聴に動員された教職員に支給した交通費などの件数や金額の把握は進めるとした上で、「住民監査請求の手続きとは別に、交通費支給も含めて検証の中で是非を見極めてもらう」としている。

 住民監査請求の陳述は公開で行い、傍聴が可能。定員10人で、希望者が多い場合は抽選となる。傍聴希望者は、7月4日は午後1時10分に市庁舎3階総合受付に集合。陳述は午後2時から。7月10日は午前9時10分に同じ場所に集合で、陳述は午前10時から行う。

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