防衛省・自衛隊による初の攻撃型UAV(ドローン)の入札が2月17日に迫っています。国は310機の取得用予算として、今年度320億円を計上しています。候補機となっている4機種のうち2機種がイスラエル製。パレスチナへのジェノサイドを肯定するメッセージになりかねないとして、市民団体が13日、防衛相を務める小泉進次郎衆院議員の横須賀市内の事務所を訪れ、イスラエル製ドローンの採用見送りを申し入れました。
市民団体は武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、BDS Japan Bulletin、ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会(以上、東京)。非核市民宣言運動・ヨコスカ、ヨコスカ平和船団(以上、横須賀)。
導入候補機とされているのが、実証試験に採用された小型自爆ドローン4機種。そのうち、ROTEM LとPoint Blankの2機種がイスラエルのイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)社製です。
小泉議員は不在でしたが、代表して3人が秘書らと面会しました。撮影は不可でしたが、記者も同席を認められました。
要望したのは次の3点です。
- 今年度予算で取得予定の小型攻撃用UAVにおいて、IAIを含むイスラエル製を採用しないこと
- 来年度以降に取得するUAVを含むあらゆる武器・装備品においてもイスラエル製を採用せず、既に取得しているものも順次廃棄すること
- 防衛省内に武器・装備品取得にあたって「ビジネスと人権」(*1)を審査する部署を新設すること
*1……企業活動による人権侵害を審査・救済を勧告するため、国連は2011年3月、「ビジネスと人権に関する指導原則」を策定。人権委員会が審査している。日本もこの原則にのっとり、各公的機関、民間企業内に「ビジネスと人権」を審査する部署を設けるようになった。
イスラエルの武器購入は国際法違反の幇助
NAJATの杉原浩二さんは「2023年10月のイスラエルによる大規模侵攻以降、パレスチナのガザ地区では7万人以上が殺された」と切り出しました。
国際司法裁判所はイスラエルのパレスチナ侵攻を国際法違反と断じています。国連人権理事会の独立調査委員会も2025年9月にイスラエルがガザ地区でジェノサイド(集団虐殺)を行ったと認定。国際刑事裁判所は2024年11月、戦争犯罪や人道に対する犯罪の疑いで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、ヨアヴ・ガラント前国防相、イスラム組織ハマス軍事部門カッサム旅団のモハメド・デイフ司令官に逮捕状を出しています。
杉原さんは「こうした中でイスラエルの軍需産業から日本が攻撃用ドローンを購入するのは国際法違反の幇助にあたる」と主張。「小泉防衛相は、イスラエル製を選ばない賢明な判断を」と言伝しました。

防衛装備庁の通知にも反する
ヨコスカ平和船団の市川平さんは防衛装備庁が2023年4月7日に発出した通知「装備品等及び役務の調達における人権配慮の取り組みについて」を示しました。
通知では入札希望者/契約者に対し、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を踏まえて人権尊重に取り組むよう努めることを求めています。
市川さんは「パレスチナの人を殺害してきたドローンの購入は人道に反し、人権配慮に照らしておかしい」と主張。2020年に河野太郎防衛相(当時)が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備を中止した先例を引き、「ドローン購入はまだ検討段階。小泉氏も防衛相の権限を生かして購入しないと言ってほしい」と求めました。
平和国家としての矜持を
NAJATの田村槇子さんは、正月に自民党安全保障調査会や超党派の国会議員がイスラエルを訪問したことに触れ、「現地で何の話をしたのか市民は知らされない。その直後に国際司法裁判所と国際刑事裁判所の所長が高市首相を表敬訪問している。日本の外交は右手で平和、左手で攻撃と握手しているように見える。パレスチナの平和復興に援助する、平和外交だといいながら、武器を買う算段をしている。もっと平和国家としての矜持を守ってもらいたい」と話しました。
東京新聞は1月9日、NAJATが防衛省から入手した資料を基に、日本政府がイスラエルのガザ侵攻後に、イスラエル製の武器を計241億円分購入したと報道しました。
杉原さんは「イスラエル製の武器購入は、パレスチナ人の虐殺への加担につながる。税金を通して私たち市民も加害者となる事態は避けなければならない」と話しました。

