大切なことを、伝えていきたい

記者名:

 はじめまして。私たちは生活ニュースコモンズといいます。新聞社で「生活報道」に携わってきた女性の記者たちが集まり、2023年7月14日にスタートした小さな記者集団です。

 私たちが働いてきた新聞社はそれぞれ異なります。東京もあれば地方もあり、それぞれ違った視点、感性、問題意識をもっています。

 そんな私たちを結びつけたのは「女性」、言い換えれば「マイノリティー」であるという共通点でした。これは、とても大きなことでした。

 「女性差別なんて存在しない」「女性のほうがよっぽど強い」といった声を時折、耳にします。けれど、私たちが生きる社会の構造に目を向けると、違う現実が浮かび上がります。男性との賃金格差、子どもの貧困、性暴力やドメスティックバイオレンスの被害、女性に偏る家事・育児時間ー。私たちの暮らしのあらゆるところに女性差別は根を張っており、数字として確かに表れています。

 ではなぜ、女性への差別は見えにくいのでしょう?
 その一因は、私たちが働いてきたメディア、新聞が、しっかりと可視化してこなかったことにあるのではないでしょうか。今は流行語のようになっている「ジェンダー(社会的、文化的につくられた性差)」についても、一過性ではなく、格差や少子化にもつながる要因として捉え、継続的に報じなけばならないはずです。

 新聞の意志決定層(力をもつ集団)を占めているのはほぼ男性です。似通った集団は「興味関心」「大事だと思うこと」も似てしまうので、どうしても、価値判断に偏りが生じます。それでは、この多様な社会を映し出すことはできないと思うのです。
そんな新聞社でマイノリティーとして働き続け、正直、限界となってしまった私たちですが、微力ながら私たちなりの視点で発信していきたいと考えています。

 女性であるということのほかに、私たちにはもう一つ共通点があります。それは「思い」です。

「弱い立場の人の声、生活報道の視点を大切にしたい」
「伝えたいこと、伝えるべきことをひたむきに書きたい」
 そのような「思い」が活動を立ち上げるエネルギーになりました。楽しく、ときに真剣に話し合い、まずは発信してみよう!と走り出しました。多彩で、思い切りのよいメンバーが多いです。

 私たちのグループ名「commons」には、公園という意味があります。

 さまざまな人が行き交い、出会い、話をする。ちょっと元気になれる。そんな空間になることを願って、書いていきます。ご意見、ご感想、情報をお待ちしております。