「静岡県は反対の意思表示を」 富士駐屯地への長射程ミサイル配備と東富士演習場での米軍国道越え射撃訓練をめぐり住民らが要請

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昨年「今回限り」で認めたロケット砲の国道越え射撃訓練が恒常化?

静岡県の住民有志でつくる「富士を撃つな!」実行委員会が3月30日、県庁を訪れ、鈴木康友知事あての要請書「富士駐屯地への長射程ミサイル配備と東富士演習場での米軍ハイマース射撃訓練に反対の意思表示を求める」を提出しました。

東富士演習場をめぐっては1960年代に地元(裾野、御殿場、小山の2市1町)でミサイル基地化反対運動が高まり、1967年8月6日、静岡県の立ち会いの下、防衛施設庁と東富士演習場地域農民再建連盟との間で、「東富士ミサイル基地化否定の確約」が成立しています。

それにもかかわらず、2025年8月末、防衛省は富士駐屯地への射程距離1000kmを超える長射程ミサイルの配備を通知しました。25年度中に島嶼防衛用高速滑空団、27年度中に12式地対艦誘導弾能力向上型が配備されることが決まっています。

ロケット砲訓練「今回限り」のはずが恒常化?

さらに、昨年10月7日には陸上自衛隊のMLRS(多連装ロケットシステム)、同月27日には米軍HIMARS(6輪トラックによる自走多連装ロケットシステム)の国道越え射撃訓練も行われました。国道の一部を通行止めにして軍事訓練を行ったのは、本州では戦後初めてといいます。この時、地元2市1町と地権者団体は「今回限り」という条件で訓練実施を受け入れました。

ところが、3月10日、防衛省は米軍の意を受けて、2市1町と地権者団体に、「5月20日に国道を封鎖してのハイマース訓練を行いたい」と実施計画を通知。今後も年数回のペースで行いたいという意向が示されました。

3月21日に御殿場市で開催された東富士演習場使用協定運用委員会拡大会議では、地元自治体や住民から「今回限り」という約束を反故にするものとして、厳しい反発があがり、20項目の質問が出され、4月8日に再協議することになりました。

鈴木知事に反対の意思表示求める

要請書はこうした経緯を受けて、鈴木知事の姿勢を問うものです。

要請書は「長射程ミサイル配備の拠点化、ハイマースなどの射撃訓練の恒常化の動きは、『東富士ミサイル基地化否定の確約』の否定です。この動きを止めるためには、県知事の確固たる姿勢が必要です。ぜひ、富士駐屯地への長射程ミサイル配備と東富士での米軍ハイマース射撃訓練に反対の意思表示をしてください」と結びました。

佐々木裕之・県民生活課渉外担当参事が要請書を受け取りました。

「富士を撃つな!」実行委員会の竹内康人さんは、「防衛省は道路封鎖をしても迂回の渋滞がなかった、騒音は小さいとして、衝撃波被害には触れず、訓練が住民に与える影響を過小評価している。また、富士にはミサイルの弾頭はない、ロケット砲はミサイルではない、などの詭弁で、確約をなしくずしにしようとしている」と指摘。そもそも静岡県は東富士演習場の返還を求めてきたはずだとして、「知事は何らかの意思表示を」と促し、南関東防衛局が県に示した資料の公開と、県民への説明会を開催するよう求めました。

佐々木参事は「知事も住民の懸念は承知している。防衛は国の専管事項ではあるが、県民の安全・安心が第一。県から防衛省には説明を尽くすように申し上げる」と返答しました。

竹内さんは「長射程ミサイルは移動して発射するとも言われている。2市1町だけの問題ではない。広く県民に関わる問題なので、県としても説明会を設定してほしい」と重ねて要望しました。