改憲に反対する国会前デモ「NO WAR! 憲法変えるな!6・19国会正門前大行動」が6月19日夜、開かれました。国会議事堂前に26,000人が集まり、配信では15,000人が視聴しました(主催者発表)。また、同じ日、全国300カ所以上で呼応するデモやスタンディングがありました。
国会に向かって左手(衆院側)にデモのステージ。この日は、道路をはさんで向かい側(参院側)に早い時間から右翼数人が陣取ってヘイト街宣を始めていました。大きな旭日旗がはためいています。
デモを主催する「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の共同代表、菱山南帆子さんらが、右翼の周りを囲む警察官に、市民に危険が及ぶので右翼を排除するよう求めたところ、警察官は「右翼にも表現の自由がある」と応じませんでした。

騒然とした雰囲気の中、ババカヲルコさんのコールが始まりました。
「アメリカいいなり政治をやめろ」
「武器の輸出、今すぐ中止」
「憲法変える、首相はいらない」
「改憲手続き法、改正反対」
6月23日の沖縄慰霊の日を前に「沖縄戦を忘れない」「軍隊は国民を守らない」というコールもありました。
「そこをどけ!」スピーチに感銘
埼玉県から来た60代女性は「そこをどけ!高市」とだけ書かれたプラカードを掲げていました。5月29日の国会前デモで本田由紀・東大教授が高市首相退陣を求めるスピーチをした時の、ワンフレーズです。
「本田先生のスピーチはフルで3回も聞きました。多くの人の人権がないがしろにされ、生活が壊されている今のことを的確に表現されている。高市首相が民主主義のプロセスから壊している。そこが一番許せない。首相は民主主義損壊罪です」

「欲しがりますよ、いつだって!!」
東京都の20代女性は「欲しがりますよ、いつだって!!」という自作のプラカードを持参しました。戦時中の標語「欲しがりません、勝つまでは」のパロディです。
「戦争が続き、人権侵害が溢れる世の中で、私は人生の楽しいことを奪われないという気持ちを表現しました」
最近の国会の動きで気になるのは「個人情報保護法改正」。いま焦点になっているのは、人工知能(AI)などの開発目的に限って病歴や犯罪歴などを含む要配慮個人情報を提供できるとするものです。女性には障害や持病があり、情報提供には同意しかねるといいます。「国民の理解が得られていないのに、慎重にならなるべき政策にアクセルを踏み続けているのが怖い」

公募市民4人のスピーチを採録します。
日常を支える公務員が、軍事を担う社会になってほしくない
■チエさん
今日は先日、参議院本会議で可決成立した予備自衛官等兼業特例法案によって、公務員が自衛隊とより深く結び付けられていくことへの不安についてお話します。
この法案は、公務員が予備自衛官として活動する際の手続きをしやすくするものです。私の夫は公務員であり、救急隊員です。人を助けたい、その思いでこの仕事を選びました。私はこの法案が将来、公務員に自衛隊員との兼業を事実上認める流れにつながるのではないかと危惧しています。
上司から兼業を勧められれば、断りづらい人もいるでしょう。子どもたちの命を守り、近所の日常を支える仕事に就く人たちが、軍事と結びついた役割を担わなければならない社会になってほしくありません。
昨晩、そんなことはあり得ないと防衛庁がXにつぶやいていましたが、高市さんのブログみたいにいつのまにか削除して、なかったことにするんじゃないですか?
自衛隊病院の病床拡充や、陸上自衛隊と全国の葬祭事業者との連携についても不安を感じています。私は自衛のために必要な備えまで否定したいわけではありません。でも、これは自衛のための準備なのでしょうか。
先にすべき平和外交はいま最善を尽くせているのでしょうか。私は自衛を超えた武力行使に進む国にも、戦争に加担する国にもなってほしくありません。憲法9条の理念を守り、戦争をしない国であり続けてほしい。そのために私たち一人ひとりの主権者、メディアのみなさんが関心を持ち、声を上げ続けることが大切だと思います。

戦争は文化財を壊し、楽しみや尊厳を奪う
■若草椿さん
私は架空団体幟(のぼり)を愛する、実在する女性団体で事務員をしているものです。私の働く団体は平和のために活動をしていますが、私はデモにはずっと行っていませんでした。なんと東日本大震災の直後に原発反対のデモに行って以来です。そして、団体職員ですが、ここには個人として来ています。
戦争に反対する理由、いくらでもあります。
例えば、私は御手杵という松平家の家宝であった槍が大好きです。しかし、この槍は現存しません。1945年5月25日の山の手大空襲で焼失したからです。戦争は文化財を壊します。
例えば、私は中国のオンラインゲームが大好きです。でも、戦争になれば、いやこのまま日中関係が悪化すれば、ゲームの配信はされなくなるでしょう。戦争は楽しみを奪います。
例えば、私は若い女です。戦争になれば従軍慰安婦をさせられるでしょう。日本は性犯罪というより、男の性的欲求に甘いですからね。戦争は尊厳を奪います。
私は言いたい。戦争や改憲なんかより、もっと優先することがいくらでもあるでしょう。
アメリカとイランが何やら合意の方向にあるようですが、だからってナフサが今すぐ賄えるわけではありません。食料自給率は低いし、働いても税金ばかり取られる。選択的夫婦別姓は30年も足踏みだし、同性婚も進みません。そして、ここに上げたのはほんの一例にすぎません。ミサイルなんて一発撃ったらただのごみです。そんなものに莫大な税金を費やすより、一次産業や文化財保護に使いなさいよ、と私は思います。
それこそが持続可能ってやつじゃないでしょうか。

教員、警察官……すべての労働者の尊厳を守れ
■黒木さん
私は高校教員です。先日、労働組合に加入しました。今日も多くの組合の幟がここからも見えます。でも私は、なぜ労働条件の向上を目指す組合が平和運動をしているのか、ずっと疑問でした。戦後の教員たちの合い言葉は「教え子を再び戦場に送らない」というものです。これは戦中に教育現場もまた戦争に加担してしまったことへの反省だと思います。しかし、それだけではなくて、このスローガンは、二度と私たち教員に戦争の片棒を担がせるなという、抵抗の叫びでもあると思うのです。
私の専門は国語科です。言葉を子どもたちに伝えるのが仕事です。言葉というのは、人間の魂を満たして、精神を成熟させ、最後には自由を獲得するために学ぶんです。他者を抑圧する手段であってはならないし、ましてや権力に隷従させるために、私は子どもに語りかけているのではありません。戦争は労働の意義を塗り替えてしまいます。だから労働組合は平和運動をするし、だから、私は組合の仲間と戦争反対を叫びたいと思います。
しかし、このように声を上げられないのが、今みなさんの目の前にいる警察官です。地方公務員法は警察職員に労働団結権、交渉権を認めていません。多くの警察官は市民の安全を守るためにその道を志したのだと思います。しかし、戦争が近づき、弾圧を命令されるようになったら、それは弾圧する側の警察官の尊厳だって踏みにじられているのではないでしょうか。
私は、子どもたちが生きるこれからの時代を、戦争の時代にしたくありません。子どもたち、教員、警察職員、すべての労働者の尊厳が貶められないように願います。
戦争反対、改憲反対、警察官にだって労働権を!

誰のことも殺したくないし、まだ死にたくない
■Mさん
でっかい人権持ってる17歳です。
ぼくはもうすぐ18歳になります。成人になります。
つい数ヶ月前まで、こんな未熟な自分が成人として扱われるようになってもよいのだろうかと不安でした。しかし、今はそれに加えて、こんな世の中で成人してしまい大丈夫だろうかと不安になっています。
大人として、成人として扱われるようになった先で、改憲されてしまったら、戦争が始まったら、徴兵されてしまうかもしれない。怖いです。いやです。そんなの行きたくないです。誰のことも殺したくないし、まだ死にたくない。
ぼく自身、やっと自分の未来が見えてきたところなんです。やりたいことがあるんです。なりたいものがあるんです。
未来を歩むためには平和が不可欠なんです。大人のみなさん。政治に、ご自身の生活に関心を持ってください。調べてください。知ってください。そして、声を上げてください。
政治家のみなさん。子どもに、ぼくたちに、こんな世界で成人しても大丈夫だろうかと思わせないでください。大人になることを怖がらせないでください。
安全な社会で安心して大人になりたい。我らと我らの子孫のために、改憲反対、戦争反対。


