トマホーク配備反対 海上自衛隊舞鶴基地を囲んだ2800人の「人間の鎖」

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トマホーク配備反対で2800人が舞鶴港を囲む人間の鎖を作ったよ

今年、長距離誘導巡航ミサイル「トマホーク」が配備されるイージス艦が所属する自衛隊基地の一つ、海上自衛隊舞鶴地方総監部がある京都府舞鶴市で5月31日、基地を「人間の鎖」で取り囲む「ピースアクションin舞鶴」がありました。全国各地から約2800人が参加(主催者発表)。自衛艦が係留する舞鶴基地北吸桟橋を先頭に、総延長1.5kmの人間の鎖を作り、正午から5分間、「トマホーク反対」「ミサイルはいらない」「憲法守ろう」などとコールしながら、つないだ手を一斉に上げました。

9月に4港に実践配備の予定

トマホークは2022年、岸田文雄内閣の安保三文書改定を機に、米国からの購入が決定。契約は2025〜27年度で、400発を2540億円で購入し、舞鶴のほか、横須賀、呉、佐世保の4港の護衛艦群に所属する自衛隊イージス艦8隻に搭載の予定です。2024年から米軍の指導の下、国内での運用訓練が始まり、自衛艦を派遣して米国での搭載訓練を行いました。今年9月には4港への実戦配備が始まる見通しです。

舞鶴では、継戦能力を高めるためとして、地方総監部庁舎の地下化工事が始まっています。ほかにイージス艦「みょうこう」「あたご」がトマホーク配備に向け12億円をかけて改修され、係留所は大型艦船が接岸できるように30億円以上をかけて浚渫工事が進められています。弾薬庫は3棟が新設され、さらに1棟が新設の予定です。

この日、海上自衛隊は毎週土日に実施している係留所の一般公開を「中止」。係留所から艦船を沖合に出し、市民らは船のない桟橋を取り囲む形になりました。民間の「軍港めぐり」の遊覧船も運休。参加者からは「人間の鎖が自衛艦を沖へ追いやった」との声もありました。

普段は自衛艦が係留されている桟橋が「人間の鎖」の日は空になっていた=京都府舞鶴市北吸

1984年にも57000人が舞鶴基地を包囲

トマホークをめぐっては1984年、トマホークを搭載した米軍艦の日本への寄港に反対し、全国的なデモが発生。舞鶴でも同年5月27日、5万7000人が舞鶴基地を包囲する「人間の鎖」を作りました。

午後の集会で、「ピースアクションin舞鶴実行委員会」の共同代表の吉本晴樹弁護士は、往時を引き合いに、「今日も全国各地から舞鶴に2800人が集結し、大成功に終わった」と総括しました。

トマホークは今年2月末に始まったアメリカのイランへの専制攻撃でも使用されています。直撃を受けたイランの小学校で女子児童を含む175人が犠牲になったことは記憶に新しく、日本の市民の間でも、トマホークへの忌避感は強まっています。

吉本弁護士は「舞鶴基地のすぐ隣には市役所、そして住宅地がある。舞鶴市民の生活がある。トマホークが向かう先にも市民の日常生活がある。トマホークを配備することは、相手国の市民に対し、私たちが加害者となるということだ」と訴えました。

吉本晴樹弁護士=京都府舞鶴市

京都を「殺戮の連鎖」の拠点にしないで

京都府内では関西文化学術研究都市(木津市、精華町など)に隣接する陸上自衛隊祝園分屯地で昨年8月、弾薬庫増設のための造成工事が始まりました。

国内最大規模の14棟の増設が予定されています。

また、京丹後市では2014年から米軍のXバンドレーダーが運用を開始しています。

「京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」(ほうそのネット)の呉羽真弓さんは「市民が繋がり、着々と進む軍拡に反対したい。私たちの近くで保管していたものが人の命を奪うことが許せない。私たちは二度と戦争をしたくないんだと党派を超え、訴えたい。ミサイルよりも花束を!」と、手に持った花を掲げました。

「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」で活動する京丹後市の永井友昭市議は、バンドレーダーから3㌔の地点に住んでいます。「『キルチェーン』という言葉がある。殺戮の連鎖という意味だ。そのスタート地点が丹後半島の経ヶ岬だと米軍高官が言っていた。レーダーの情報を受け、舞鶴から出て行く武器はトマホーク。その貯蔵庫が祝園だ。京都全体をキルチェーンにする動きに断固反対しよう」と声を上げました。

「ほうそのネット」の呉羽真弓さん=京都府舞鶴市

横須賀、呉からも「トマホークいらない」

舞鶴と同様にトマホークの配備を控えている神奈川県横須賀市、広島県呉市からの発言もありました。

「トマホークアクション2025」(横須賀市)からは10人が参加しました。米軍横須賀基地に所属する戦艦がイラン攻撃に加わったため、市民が3月からゲート前でサイレントスタンディングを続けています。同アクションの岸牧子さんは「思ってもみなかった変化が起きています。ゲートを出入りする車から手を振る、サムズアップ、ハートマークを作るなどです。基地から女性が出てきて『あなたたちの行動に賛成します。家族に写真を送りたい』と一緒に写真を撮りました。ゲート前ではNO WARで一致しています。米兵も家族もイラン攻撃に賛同していないことがわかります」

横須賀には今年度にトマホーク、来年度に国産の長射程ミサイルが配備される予定です。岸さんは「平和憲法のある自分の国が余所の国を、専制攻撃する武器を持つことは許されません」と訴えました。今年2月には呉、佐世保、舞鶴と4市そろって、声明を発表しました。

呉市からは4人が参加しました。海上自衛隊呉基地の増強が進んでいます。昨年3月24日には、南西諸島に戦車や弾薬を輸送する新しい部隊、海上輸送群が発足し、司令部を呉基地に起きました。護衛艦「かが」の空母への改修も進んでいます。2023年9月に閉鎖された日本製鉄呉工場の跡地を広大な防衛省が一括購入して、軍事拠点化する動きもあります。呉地区平和委員会の森芳郎さんは「旧軍港から平和産業港湾都市となっている呉として、日鉄跡地を軍事拠点化しない行動に全力を挙げている。ご協力をお願いします」と訴えました。

熊本、静岡、沖縄……全国各地で進む軍拡

今年3月に長射程ミサイルが配備された熊本市の健軍駐屯地、静岡県の富士駐屯地空の報告もありました。

「平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本」の海北由希子さんは、「西部方面総監部の地下化に弾薬庫の増設。健軍の問題はミサイル配備で終わったわけじゃない。今年、与那国島と健軍に日本初の対空電子戦部隊が配備されます。全く報道されていません」

対空電子戦部隊とは、敵の航空部隊が侵入してきた時に、特殊な電磁波を出して、レーダー等を攪乱する部隊です。自衛隊は与那国での説明会で「人体や民間の携帯電話に影響は与えない」としましたが、その根拠について詳しい説明はなされていません。

海北さんは「健軍では、ミサイル配備についても一度も住民説明会が開かれていません。これっておかしくないですか?」と疑問を呈しました。

「富士にミサイルやめて!の会・静岡」の竹内康人さんはギターの弾き語りをし、MCで話しました。

「富士駐屯地には開発実験団という組織があり、中でも装備実験隊は様々な長射程ミサイルの装備訓練をしている。富士から健軍へ25式ミサイルが運ばれた。富士駐屯地はミサイルを日本各地に搬出する拠点となっている。富士を専制攻撃の拠点にしてはいけません」

沖縄県平和委員会の上野郁子さんは沖縄戦以後の歴史から話し始めました。

「沖縄県民は沖縄戦で捨て石にされ、4人に1人が亡くなりました。戦後になり、沖縄は昭和天皇から米軍に払い下げられた。米軍の下で、27年間人権無視の暮らしが続きました。念願の日本復帰を果たしたのに、基地のない島は戻ってこなかった。私たちは30年前の少女暴行事件の後、名護市民投票、県民投票で基地はいらない、沖縄を再び戦場にしないと闘ってきました」

今年3月、辺野古沖で同志社国際高校の研修旅行の生徒らを載せた船が転覆し、生徒と船長が亡くなりました。そのことで沖縄への攻撃が強まっていると、上野さんはいいます。

「まるで玉城デニー知事が高校生を殺したかのようなデマが流れています。戦前、戦中の治安維持法のように、国策に対して声を挙げるものを潰していく。それが沖縄で起こっていると感じています。戦争はいやだ、二度とあんな思いをしたくないと私たちが声を上げることが、どうして国策に反するのでしょうか。もし反するのであれば、国策の方が間違っていると私は思います」

戦争で一番の被害者は市民

集会は宣言を採択して終了しました。

「戦争で一番の被害者は市民です。武力では決して平和は守れない。これが歴史の教訓です。『戦争するな』の一点で、今日からさらにつながりを広げ、戦争への道にストップをかけましょう」

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