7月7日の投開票日に向けお伝えしている「シリーズ都知事選」。今回は、街で広がる”ひとり街宣”を取り上げます。
候補者ではなく市民一人一人が、自発的に独自のスタイルで投票を呼びかける”ひとり街宣”。2022年6月の東京・杉並区長選の際に注目されました。今回の都知事選でもその動きが広がっています。
それぞれの争点を胸に投票を呼びかける人たち。こちらの動画(4分57秒)をご覧ください。
「”ひとり街宣”初めてです」
JR西荻窪駅前(杉並区)に立っていたのは芹沢悦子さん。2022年6月の杉並区長選の時に”ひとり街宣”を始めた人です。
今回の都知事選でも、投票を呼びかけ、地元・杉並区の地下で計画が進む巨大トンネル建設を争点の一つとして訴えています。街頭に立つのは毎日10分から15分。朝や、友人との待ち合わせ前などに行っています。
芹沢さんを取材しているさなか、「”ひとり街宣”、初めてです」というIT企業に勤務する30代の会社員が現れました。
出勤前、子どもを保育園に送った後そのまま来たという男性。今の都政に強い危機感を感じています。
「選挙も民主主義も参加した方が数百倍楽しい」
吉祥寺駅前(武蔵野市)で「投票に行こう」と呼びかけていたのは、喫茶店を経営する26歳です。
選挙も民主主義も参加した方が絶対楽しいと思っています。見ていても楽しいんですけど、参加した方が、数百倍、数千倍面白い。自分が選挙に出ても思ったし、なんら特別なことではない。(喫茶店経営 26歳)
2023年12月、武蔵野市議補選に無所属で立候補しました。当選はかないませんでしたが、当時の経験も振り返り、こう話しました。若者や女性に非正規雇用が多い現状を変えていきたいといいます。
その”ひとり街宣”のさなか、「今日初めて”ひとり街宣”をする」という人に声をかけられました。
50代の講師。仕事が終わって帰宅の途中、夕食作りをする前に少しでもと思い、立ち寄ったと言います。
国政も酷いが、都政だったら、皆が一つずつ何かを持ち寄れば変えられるかもしれないという希望がある。子どもがいて、仕事では高校生にかかわっています。子どもたちの未来を考えた時に何もしないでいるのは、自分で自分を許せなくなるかもしれないと思って来ました。(講師 50代)
「ミーハーなんですが虎に翼に感化され、不断の努力が必要だと」
JR王子駅前(北区)で”ひとり街宣”をしていた教育関係の仕事に携わる20代。神宮外苑や築地市場跡地などの再開発をめぐって、市民の意見が置き去りにされていると感じています。
この20代の男性の”ひとり街宣”を見たことがきっかけで、自分もJR王子駅前に立ち始めた、という人がいます。IT関連企業で働く30代の会社員です。この日、”ひとり街宣”2日目でした。
都民ではありませんが、都内で働く身として、出勤途中に通るここ王子駅で始めたそうです。「ミーハーなんですが、ドラマ『虎に翼』に感化されて不断の努力が必要だと思って、何かできないかと思った」「今は正規で働いていますが、これまで非正規で働いてきて、若者の格差については解消しなくてはいけない問題だとずっと思っていました」。30代の会社員は、通勤する人たちに向かってこう呼びかけていました。
みんなが働きやすくて、暮らしやすい社会、若い人たちが希望を持てる社会のために政治を変えましょう。7月7日が都知事選の投開票日です。市民のひとり街宣やっています。(会社員 30代)