被団協 ノーベル平和賞受賞 核廃絶に取り組む将来世代からも喜びの声

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日本被団協がノーベル平和賞を受賞。若い世代も勇気づけられたみたい

 被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が、今年のノーベル平和賞を受賞することが決まりました。受賞の喜びや今後の核廃絶に向けた世界の動きに期待する声が、20代の将来世代からも上がっています。核廃絶を目指すシンクタンク「一般社団法人かたわら」(横浜市)代表理事の高橋悠太さん(24)=広島県福山市出身=が寄せたメッセージを原文からご紹介します。

 日本被団協さんのノーベル平和賞受賞の報に接し、喜びで胸がいっぱいです。ご受賞大変おめでとうございます。被爆者のみなさん、被団協の関係者のみなさん、運動にかかわり、引き継いでこられたすべての皆さんのご尽力に改めて敬意を表します。私の精神的支柱であった被爆者の皆さんの受賞に、大変力をいただきました。

 以下、個人的なエピソードになりますが、私自身は、2021年に亡くなった日本被団協代表委員(当時)の坪井直さんと出会い、2日間5時間にわたり、証言を聞き取りました。

 受賞を知った時、最初に浮かんだのは、坪井さんと、箕牧智之代表委員らが、原爆ドーム前で核兵器廃絶のための署名活動に立たれている姿でした。どんな日も、核兵器廃絶を求めてこられたことに改めて光が当たったと感じたからです。

 坪井さんの聞き取りをしたとき、「ノーベル賞より、核廃絶だ」とおっしゃっていたことが印象的でした。世界では、核兵器の増強や軍拡が進んでいます。坪井さんがご存命だったら、憂いているのではないか、とも思いを巡らせます。

 今回のご受賞は、世界の核軍拡、核による恫喝(どうかつ)への警鐘だと思います。そして、現在進行中の国連総会第1委員会(軍縮・安全保障)、来春の核兵器禁止条約締約国会議、NPT再検討会議などの核軍縮に向けた動きへの追い風となり、今一度、核兵器廃絶の重要性を認識させるものだとらえています。

被団協前代表委員だった坪井直さん(前列中央)から証言の聞き取りを行った高校時代の高橋さん(後列中央)ら©︎一般社団法人かたわら

 今年5月9日、イタリアC7サミットに日本から参加する「G7日本の市民社会の声を届けるプロジェクト」メンバーの一人として、広島市内で被爆者団体と面会し、意見交換を行いました。そして、イタリアに「核廃絶、そして非戦を」とのメッセージを届けました。報告レポートはこちら

 唯一の被爆者の全国組織「日本被団協」は、被害者自らがコミュニティー(協議会)を作り、核兵器廃絶と、国家補償を求めて(受任論ではなく)きました。他に類を見ないことだと思います。今の世界の状況に照らして、戦争・兵器使用当事者の権利の回復や補償の重要性、その困難さ等に改めて光が当たったのでは、と思います。これらを人類の記憶として普遍化にする必要があります。日本被団協の歴史については、ぜひ書籍「被爆者からあなたに」をお手に取ってください。

 世界の情勢を見ると、被爆者の皆さんのご尽力とは裏腹に、残念ながら、核の非人道性や被爆者の体験は十分に認識されていないように感じ、歯痒いです。改めて、この世界に生きる全員が何をすべきか、問われています。一般社団法人かたわらでは、改めて被爆者の訴えを、これまでの運動を受け止め、つないでまいります。そして核兵器廃絶への努力を続けます。

2024年10月11日
一般社団法人かたわら  高橋悠太

2024年5月、イタリアG7サミットを前に、核兵器廃絶へのメッセージをイタリアへも届けるために日本被団協の被爆者らと行った意見公開の場。箕牧智之代表委員(左)より「頼んだよ」と声を掛けられ、堅く握手を交わす高橋さん©︎一般社団法人かたわら

一般社団法人かたわら 公式サイト(日本被団協 ノーベル平和賞受賞コメントhttps://www.katawara.org/post/nobel

生活ニュースコモンズ (インタビュー「Z世代の群像」核廃絶ネゴシエーター 高橋悠太さん https://s-newscommons.com/article/3936

※(2024年10月13日訂正更新)日本被団協の正式名称は、日本原水爆被害者団体協議会でした。

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