前々回と、前回に続いて、小池知事の”答弁拒否問題”を取り上げます。
ことしの都議会第1回定例会(2月から3月)で小池知事が答弁に立たなかった件数を検証した立憲民主党の関口健太郎都議。
「都民ファーストの会や自民党、公明党の議員に対しては100%答弁に立っているのに対し、立憲民主党や共産党などの議員への答弁拒否率は76%」。「知事に耳触りの悪いことをいう議員の質問は排除するのか」。
3月の予算特別委員会でこう追及し、知事の見解を求めましたが、小池知事は答弁に立ちませんでした。
まずは、こちらの動画(約3分半)をご覧ください。
「都民ファーストの会や自民党、公明党の議員に対しては100%答弁に立っているのに対し、立憲民主党や共産党への答弁拒否率は76%」。
ことしの都議会第1回定例会の小池知事の答弁について検証した立憲民主党の関口健太郎都議。取材に対してこう説明しました。
各政党や会派が質問用紙を出していますので、それを確認しながら集計しました。その際、間違いがあってはいけないと、本当に知事に答弁を求めている質問なのか、曖昧なものについては直接聞いて確認しています。
また各議員の知事への質問内容についてですが、細かい数値などは一切聞いていない。知事の政治信条や知事しか決断できないもの、公約に関して問う内容です。(関口都議)
さらに、それらの質問も、議会が開かれる前に“役人側から減らされている”と明かします。
議会の4日、5日前に、質問内容を担当課長に渡しています。事前に「これは知事に質問する、これは局長に聞く」と指定して質問を投げているのです。
しかしここにカラクリがあります。立憲民主党や共産党などの議員については、2問3問知事に聞きたいものがあったとしても、役人側から「これは知事は答えられない」と言われることが往々にあるのです。つまり、事前に知事への質問数を役人側から減らされる。または、かなり“やんわり”させた質問に変更させられる。そうしないと役人側が小池知事に質問内容を出せないという文化があると感じます。ただ、そうしたことを経てもなお、議会で小池知事が答えない。
立憲や共産などの議員には“答弁拒否率76%”。その裏側にはこうした状況があります。
小池知事が8年間都知事をしているなかで、かなり役人側の忖度が強く働くようになり、知事自身も耳障りな質問に対して耳を傾けないようになりました。耳を傾けないばかりか答弁に立たない、議論にもならない(関口都議)
ところが、関口都議の議会での指摘を、都民ファーストの会・自民党・公明党の議員は「不穏当な発言として容認できるものではない」とし、3月26日、発言の取り消しを求める動議を提出。賛成多数で可決されました。
“答弁拒否”“答弁差別”“排除”という文言を使用している質疑部分すべての取り消しを求める動議でした。知事を支える都民ファーストの会や自民、公明の議員が、それ以外の議員の発言取り消しを求めるのはあってはならないこと。知事をチェックすることを妨げるのは二元代表制の危機だと思います(関口都議)
発言取り消しの動議は可決されても法的拘束力はないため、どんなやり取りがあったかは削除されず、現在も議事録で確認できます。